■━━━自閉症児って? ━━━■


このページは、まだまだ知られていない自閉症児の素顔を少しでも多くの方に
知ってもらえたらという想いから自閉症児と携わってきて、今までに感じた
ことを書いていきたいと思います。

自閉という名前から、登校拒否するような子で 親のしつけがなってないから
と思われがちですが、自閉症は先天性の病気なので親がいけないと言うのは、
誤解も甚だしく筋違いなんです。だけど、そうとは知られてないので親への
冷たい視線は社会からはまだしも、時には親類関係からも浴びてしまうのが
現状です。

見かけでは障害を持っているとわからないのでコンビニで欲しい物が買えないと
騒ぎ出したり、道で突然「うーうー」言い出したりするとやはり「なんだ?」と
冷たい視線を浴びるのは当然なのかもしれません。
しかし、毎年夏に私達が行っているバスツアーで川遊びに行く時や海で遊んで
いる時などは、子供が奇声を発したり騒いだりしても、まわりの人たちがいつも
とは違って どことなくあたたかい目で見てくれているんです!
誰もが青空の下、解放的な気分になっているからだと思うのですが、そういう
光景が街中でも 広がっていったらと願ってます。

ここでは少しずつでも 自閉症児とのエピソード等を書いていきますので
どういう子達か知ってもらって 理解が進めば嬉しいです。

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■━━━ 恐れる事はないんだ ━━━■


初めて自閉症の子を預かるようになった時 気持ちはあってもどうしても平らな目で
子供を見る事が出来ませんでした。なにをしでかしてしまうのだろうか?
と気が気じゃなくて 最初は、恐れにも似た感情を抱いていたと思います。

はじめのうち「あ〜っ すごくわめいてる〜」「どうしたらいいのかわからない〜」
って感じだったのですが、ある時 それを払拭出来ました。

自分の思うようにならなければ、普通の子供でもわめいたり泣いたりするよなぁ
それが、自閉症児の場合 自分の意志を伝えるのが上手く出来ないだけで
普通の子と同じじゃんって思ったら、肩の力が抜けました。
結局は、平に見る事が出来なかった自分が問題をこじらせてるだけでした(^^)

それからは、子供達と共に遊んだり、勉強したりするのが 心から楽しく思えるように
なっていきました。

恐れることはないんだ。

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■━━━ ダウン症との違い ━━━■


自閉症の子とよく遊びに行く公園があり、時々近所の子供達が一緒に遊んでくれます。
話し掛けても、反応のない自閉症児に最初は戸惑っていましたが、今では
「その子もお話出来ない子なんだね」って理解してくれています。

昨年末、幼稚園に通うダウン症のお子さんを預かった時のこと。いつもの様にそこの
子供達が「一緒に遊ぼう!」と言ってくれたのですが、子供達の反応がいつもとは
違いました。 普段はそんな事ないのに、すごく冷たくする子がいたのです。

みんなで、ドッジボールをしよう!ということになったみたいなのですが
「チビ! あっち行けよ!」「おまえ、こっち来るなよなぁ!」とか
(ここでは、書けない酷い言葉もありました)
近距離からボールを思い切りぶつけたり等‥‥
また、逆に「かわいそうだろ!」「やめろよ!」ってかばう子も出てきました。

自閉症児の時は、何も起こらなかったことを考えると、顔を見たら障害とわかる
ダウン症だからかな〜?と思います。

でも、障害児もこの環境に慣れる事が必要と思い、帰る時間まで僕からは手や口を
出さずに遊んでもらう事にしました。実の親だったら、辛くて見てられないのかも
しれませんが、手を出さない、口をはさまない事も 大切の様な気がしました。

もっとも、そのダウン症の子は何を言われているのか わからないので
みんなと遊んでいる事実だけで、楽しそうだったのですが^^

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■━━━ 言葉へのTry vol.1 ━━━■


はじめて見てみて、最初はしゃべれないと思ってたのですが泣いたり、わめいたり
する時は声が出てるよなぁ(当たり前の事なんだけど ^^) だったら、
教えれば言葉を覚えてくれるのでは・・・・!? それからは、発音を教えるのが
楽しくて苦しくて^^

基本は母音でした。
「あ」は簡単でした・・・・ と言いたいところですが、こちらが「あ」と言っても
子供の方は何をしたらいいのかわかんないんですよね〜 まずは、オウム返しして
くれるまで「あ」を言い続け (はたから見ると馬鹿みたいです^^)
同じ様に声を出そうとしてくれたら 誉める事を繰り返しました。 次第に、何を
次第に、何をしたらいいのかがわかってくれ 「あ」が言えるようになりました。

次に口をすぼめるのを見てもらって「う」と「お」を覚えました。(簡単では
なかったけど)難しいのは「い」と「え」の中途半端な音でした。
(我々は苦労しなくても簡単に出せますが、難しい事をやってるんだなぁと感じます)
これは、子音と一緒に平行して覚える事にしました。

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■━━━ 言葉へのTry vol.2 ━━━■


子音は二つの音の組み合わせ。
例えば、「さ」は歯を閉じてそこに息を吹き込み(すき間風の様な音)その後に
「あ」を発すれば、「さ」が言えます。

問題は、ふたつの違った音を連続して 言ってくれるか? です。
「い」と「え」はまだ不確実ですが、その他の母音は言える様になっています。
そこで、今マスター出来ている「あ」「う」「お」を組み合わせてふたつの音を
連続して言う事を練習しようと思いました。そして、一番いい教材「わ」が
ある事に気づきました。
「う」に続けて「あ」を素早く発音すれば「わ」が出るんですよね。
すぐにでも、新しい音が出せるという期待から 嬉しくなりました。

しかし、こちらが「う」「あ」と続けて言ってみても、2音目の「あ」しか
返してくれません。 そうだよなぁ、そう簡単にはいかないよなぁ。 
「う」って子供は返そうとしても、続けて「あ」って言われたら、言うチャンスが
ないものね。で、こちらが言い終えた後、耳に残ってた「あ」を返すのは当然かも。
そこで、「う」、「う」。 「あ」、「あ」。 と順番に言うのを何回も繰り返し
ました。そうする事で、間隔は空いていますが 口が覚えてくれるのでは?と
思ったのです。段々と間隔を短くしながら、言えたら誉めるの繰り返し。その後、
「う〜」と伸ばした後、音の終わりに「あ」で止めるのもやってみました。
まだ音を伸ばすという事がわからないので、「う〜」を言うのはこちらのみで
最後の「あ」を一緒に言う練習です。
「う〜」と言いながら、顔を少し上に向ける感じにして顔が元の位置に戻った時、
子供の目を見ながら、「あ」と発します。「うん、うん」と頷く様子をゆっくりに
した感じです。こちらの熱意が伝わったのか、一緒に「あ」と言ってくれます。

そんな事を毎日やっているうちに、「う」「あ」と2音続けて言える様になり
その2音の間隔を縮める練習をしていくうちに「わ」という新しい音をマスター
しました。

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■━━━ 言葉へのTry vol.3 ━━━■


我々は単語を聞けば、その単語を言う事が出来ます。聞いたことのない言葉でも
言えるし、全く知らない外国の言葉でさえ、なんとなく似た音を出すことが
出来るでしょう。

しかし、これが出来ない子達は発する機能は持っていても、どういうふうに
発したらいいかが、わかんないんですよね。

そこでまず、どうやったら音の元を出せるかこちらの口を見てもらって、
すぐにわかる様な音を探しました。 口を閉じて出す M の音 これなら
わかりやすい。

「M」(母音がないので、地味で小さい音 「む」や「ん」みたいな音)と
音を出すだけ。 これはすぐに返してくれました。
「M」に続いて「あ」を発すれば「ま」が出ます。しかし、「M」と「あ」を
順番に言うだけで、ふたつの音がくっつきません。そこで、「M」の音を伸ば
して言う練習をする事にしましたが、「M-----」 「はい、言って!」と
やってみても「M」と短く言うだけで伸ばす音が、返ってきません。
どうやったら音を伸ばす事を理解してもらえるか?
目で見て、音を伸ばせばいいんだとわかる事。

テーブルの上に人差し指を置いて、「M-----」と言いながら音が始まったと
同時に、テーブルの端に沿って指を動かす。目印(マッチの箱など)を置いた
場所で音を切り、指もストップ。何回かこちらがやった後に、音を出す役目を
替わりにやってもらう事にしました。子供が発音してくれたら、こちらの指を
スタートさせ、音が伸びなかったらすぐに指をストップさせる。

何十回とやっているうちに、音を伸ばせばいいんだと理解してくれて
目印のゴールまで、ちゃんと音を伸ばす事に成功しました。

そして今度は、目印のところまできたら「あ」と言って音を止めます。
「M---------あ」という感じです。
「あ」と言う前に伸ばした音を、一瞬切ってしまう傾向はありましたが
スムースにつなげれる様になったら、M--------「ま」と言う事が出来る
ようになりました。口が覚えるまで、また何十回とやって伸ばす音がなくても
「ま」という音を出せるようになりました。

これで「マ〜マ」なら比較的簡単に発する事が出来ます。

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